レフォルマ 不動産競売必勝攻略法

    

 






堂々完結!


物件: ワンルームマンション(広さ:17u程度)

場所: 東京都港区六本木

占有者: 50歳前男性が所有者兼債務者として、会社事務用品を残した上で占有

占有認定: 所有者は買受人に対抗できない

 <今回の追い出し指令>

おはよう、追い出し屋Gくん。

今回の君への指令は、

六本木のワンルームに動産(事務机等会社用品)を置いて、

占有(占拠)を行う、ターゲット「占有者N」を立ち退かせることだ。

例によって君もしくはメンバーが捕らえられ、

あるいは殺されても、当局は一切関知しないから、そのつもりで。

なお、このテープは自動的に消滅する。

成功を祈る…。



 

 

2003.07.17 木曜日 


占有者との仁義なき闘い
−六本木心中/熱帯夜の死闘・前編




今月に入ってからというものの、

ウチの社有物件(すべて競売で落札した物件)が、

順調に販売されている。

めでたい、めでたい。

めでたいついでに、未だ全くもって売れてない、

ワンルームやら再建不可(通常方法では建て直しが出来ない)

の戸建も売れて貰いたいものだ。



それにしても。

売れない物件に限って、

競売の落札価格を僅差で競り勝ったり、

占有者(競売物件を占拠している人)の追い出しに、

非常に苦労した物件が多かったりするワケなんだが…。

一体どーゆーことなのだろう。

これもまた、競売の七不思議と言ったところか。



そんなこんなはさておき。



今回は、話し合いどころか、

なかなかテーブルに着くことすら、

拒否し続けた占有者との間で成された、

血と汗と涙の交渉話でも−。



モノはワンルーム。

一棟売りではなく、一部屋。

場所は六本木。徒歩5分程度。

築年数は二十年程経過しているが、管理体制は良好、

エントランスも最近改装されたばかりで、

下手な新築物件よりかは余程面構えがいい。

総戸数も100戸を越えている。

大通りと高速に面しているが、

六本木のワンルームの立地なんてこんなもんだ。



ウチの会社は、

よっしゃ、これ落としたれや!!

と言わんばかりに入札Go!

こいつは落札出来たら速攻売れるだろ、

と思いながら札を入れたその結果は、

次順位買受申出人(二番目に高い入札価格を入れた人)

と30万円差で買ったという次第。

ちなみに次順位は価格に糸目をつけない個人ではなく、

主に投資用ワンルームを手掛けている専門業者だったので、

社内での評価は、まあまあいい買い方をしたんじゃないか、

という感じであった。



−ただこの物件は落札してからが大変だった。



何が大変かと言えば、

占有者との交渉することが大変ということではなく、

占有者を交渉の場に引っ張り出すのが、である。



そのワンルームの所有者は、

経営コンサルタント会社でNという男が代表者であった。

競売に掛けられるくらいの会社である、

仮にも、経営指南を行う会社が、

物件を差し押さえられる位、

経営が成り立たなくてどーするよ!!

といった感じであるが、それは置いておいて。



ワタシの調査では、住民票は家族全員分、

このワンルームに置いてあることがわかったが、

どう考えても家族4人が暮らせる程の広さではない。

またマンションの管理人の話によると、

Nはこのワンルームを事務所として使っており、

週に1、2度午前中に30分程度しか来ないとのこと。

部屋の中には事務机等が置いてあり、

要は所有者が空家で占有している状態だ。



とりあえず、このまま放置していてもしょうがないので、

建物を引き渡して貰うべく、

占有者とコンタクトを取ることにした。



この男の連絡先である電話番号は、

簡単な調査ですぐ抑えたが、

何度も何度も掛けても通じず。

やっとのことで通じたと思ったら、



オマエんところに、所有権移転してから言ってこいや!



なんぞとドスを利かせた声で、

そういったありがたいお言葉をちょうだいする始末。

こちらが、まあお互い言い分はありますし、

一度会って話しましょうよ、と言っても、




所有権はまだ俺のもんだ、話し合う必要はない!!



というつれない対応。

これじゃあ、話し合い以前の問題だね、

所有権移転したら話し合いに応じるのか?

ということでサクっとその物件の代金納付を行い、

所有権は名実ともにウチのものした。



占有者Nよ。

これでオマエの心のよりどころである、

所有権はなくなった。

とっとと枕持ってここから出て行け、と思いつつ、

男に退去を促すべく、電話を掛ける。

電話を掛ける。

電話を掛ける。

電話を…、




出ねえじゃん!




確かに所有権がウチに移転する前も、

電話はなかなか通じなかったが、

今回はその比ではない。

全く出る気配すら見せないのだ。



所有権移転してから来い!!

オマエが所有者だったら、話したるわ!!




なんて啖呵(たんか)切ったくせに、

実際に所有権移転したら、

逃げるようにして電話にも出ないっつー根性なしか。

ワタシは基本的にウソをつかれるのと、

こういった口先だけのチキン野郎が非常に大嫌いだ。



俺は怒った!

こいつを自分の力で引きずりだしてやるわっ!!




なんて、お天道様に誓うワタシ。

いやはや若いねえ、ってな感じ。

って、そんな昔の話じゃないけど。



この段階で引渡命令(占有者に対し、裁判所が退去を命じる、

簡易な裁判手続き)を申し立てていなかったが、

ワタシは会社に、



この案件は引渡命令を出さずに解決したい



という、今考えるとワケのわからない、というか、

常識外というか、頭の悪い提案をしたところ、

オマエがそこまで言うなら早く自分で解決してみろ、

という、ある意味考え知らずな許可を会社から貰う。

まあ、早く解決できなかったらとっとと引渡命令を行う、

という条件付であったが…。



六本木ワンルーム奪還作戦発動だっ!!



そのときのワタシは、

六本木のワンルームの見事なる奪還に向けて、

メラメラと闘志を燃やしていた。



追い出し屋Gと占有者Nとの、

小さなワンルームと大きなプライドを掛けた本当の闘いが、

今、始まる…。




続く。




多分。



※タイトルと内容は地名しか関係ありません。

 

2003.07.19 土曜日 


占有者との仁義なき闘い。
−六本木心中/熱帯夜の死闘・中編




<前回までのあらすじ>


雑多な人種の集う、無国籍都市・六本木。

この街で、追い出し屋Gと占有者Nとの、

小さなワンルームを巡る、

血で血を洗う壮絶(そうぜつ)な闘いが始まった。

しかし、地下でくすぶっているような俺達じゃぁない。

筋さえ通れば金次第でなんでもやってのける命知らず、

不可能を可能にし巨大な悪を粉砕する、

俺たち、特攻野郎Aチーム!

♪ちゃーらららー ちゃちゃーちゃー



…。



そんなこんなはともかく。



六本木ワンルーム奪還作戦発動

なんてブチ上げてみたものの、

肝心の占有者(競売物件を占拠している人間)

と会わなければ何も始まらない。



…しゃーない。

まずは占有者とコンタクトを取るか。

あー。

コンタクトぉ〜、コンタクトぉ〜。

コンタクトを取るって言っても−。

ってここでつまらんボケはいらんね、こりゃ。



それにしても、引渡命令出さないで問題解決、

なんて思いっきりその場の勢いで放言してしまったが、

いやはやどーしよう。

後悔するなら、最初からそんなことフカすなよ、

と心の中で冷静な自分がツッコむが、

いやいやしょーがないべー、

後悔先に立たず。

発つ鳥跡を濁しまくり。

まあ人間なんてそんなもんだ。

あんまり深く考えることなく、

気楽にやっていこう!!

…無駄に前向きに生きようとするワタシであった。



ともかく、占有者Nと会うぞ!!

占有者とのコンタクト大作戦開始だ!!

あー、なんかテンション上がってきた。



ミッション1.置手紙



占有者と会う為の最もお約束な方法。



これこれ、こーゆーワケだから、

アンタ、ウチの会社と会わないとだめじゃん。

電話しないとアンタ、

トンでもない目に遭っちゃうよー。



という内容の手紙を当該物件に置いておく。

本来だったら、置手紙をするにしても、

最初は無難な文面で、郵送なりポスティングするのであるが、

こいつは確信犯的に面会を拒絶しているので、

思いっきり目立たせるべく、玄関ドアにべったりと貼る。



次の日。



玄関ドアに張られていた置手紙は−、

きれいさっぱり剥がされていた。

しかも連絡来ず。

うーむ、むかつく。



ミッション2.張り込み



置手紙大作戦と平行して、

マンション前で張り込みを行うことにする。

張り込みは、原始的な方法で、地味であり、

そして苦痛を伴うが、

「会う」という目標を達成するのには、

ワリと有効な手段だと言える。

もっとも事前のリサーチを十分に行っていないと、

時間ばかり食う結果に陥(おちい)るので注意しなければならないが。



そのマンションの管理員(平日9時から17時まで日勤管理)から、

占有者Nは以前は平日の午前中に毎日、

外車に乗って、郵便物を取りに来ていた。

占有者Nの家族は見たことがない。

との情報を得る。

前回も話したが、

このワンルームに占有者Nの家族全員分の住民票が置かれている。

住民票は現在の住所の移転されていない。

従って、重要な郵便物はこのマンションに届いているのだ。

これらを取りに、以前は毎日の様に来ていた、とのことである。


そうそう。

最近はあまり顔を見かけなくなったねえ、


と管理員は付け加えた。



−もう占有者Nはここには立ち寄らないのであろうか?



昨日ワタシが張った置手紙は、

剥がされていたのは事実だ。

もしかしたら、占有者以外の人間が剥がした可能性もない訳じゃないが、

最も剥がす可能性があるのが、当然占有者Nだ。

それに集合ポストを外側から覗くと、

不要なチラシがゴミの様に溜まっているといった形跡もなく、

綺麗さっぱりなくなっている。

まさしくこれは占有者がポストを開け、自分の郵便物を取り、

チラシをゴミ箱に捨てているということではないか。



ワタシは考えた。



以前は午前中に来ていた。

そして最近は顔を見かけないという管理員からの情報。

剥がされた置手紙。

からっぽの集合ポスト。



事実の積み重ね。

そして当然の帰結。



−ヤツは今もここに来ている!



ワタシは、打倒!占有者Nに向けて、

張り込みを開始した…。



続く…。



追記。

今回の六本木ワンルーム占有者編は、

ワリと長くなりそう。

本題だけ書いていけば短いのかもしれないけど、

いつもながら無駄な文章がダラダラ垂れ流されている感じ。

もし暇だったらもうしばしお付き合いしてちょーだいな。

 

2003.07.20 日曜日 


占有者との仁義なき闘い。
−六本木心中/熱帯夜の死闘・中々編




<前回までのあらすじ>



追い出し屋Gは占有者Nを追うべく、

一路、六本木へと向かった。

ヤツはここにいる!

果たして追い出し屋Gは、

占有者Nを捕まえることが出来るのか?

そしてその衝撃の結末とは一体…???



次回、「占有者との仁義なき闘い/さすらい刑事・旅情編」

でお会いしましょう!!




…。







って、もう終わるんかいっ!




そんなこんなはともかく。




−ヤツは今もここに来ている!



恐らくヤツは管理員のいなくなる夕方過ぎから夜に掛けて、

このマンションに立ち寄っているのだろう。

そう推測したワタシは、

管理員が帰った午後5時過ぎから張り込みを開始した。



張り込みポイントは、マンション前の街路樹の陰。

ここからだとエントランスの集合ポストを見渡すことが出来る。

ちなみにターゲットとは電話で少し話した程度なので、

全く顔は知らない。

逆を返せば相手もワタシの顔を知らないので、

張り込みをしていても、事前にバレて、

捕まえる前に逃亡される可能性は低いということだ。



ワタシの張り込み作戦の概要はこうだ。

とりあえずマンション前でひたすら待機。

ヤツは声から判断すると50絡みの男であったので、

それらしい男がマンション内に入っていくのと同時に、

ワタシもさりげなく、ごくごくフツーにエントランスに入り、

口笛でも吹きながら自然体で彼の行動を逐一チェック。

彼が当該号室のポストをいじってたら、ビンゴ!!

オラー!!とばかりに奇襲をかける、

といった分かり易い作戦である。



名づけて、



んちゃ!占有者Nを捕まえるぜ!ほほほーい大作戦



だ!!(今時、アラレちゃんかよ)



早速、張り込み開始。

何かこうやって樹の陰で、張り込みをやっていると、

探偵にでもなったような気分だ。



−俺は新宿・歌舞伎町のボロビルで、

私立探偵事務所をやっている。

追い出し屋Gだ。

皆は俺のことをハマーと呼んでいる。

なんでかって?

そいつは俺にもわからねーな。

だが、強いて言えば、

俺がMCハマーにでも似てるからじゃねーか。

(全然似てねーよ!)

おっと、こんな無駄話していたら、依頼人がきたみたいだぜ。

この事務所に客が来るなんて三ヶ月ぶりの話だ。

久々の依頼人は−、女か。

ジャスミンの香水をつけた、女。

こいつは何だか危険な匂いがしてくるぜ。




…うーん、ハードボイルドな世界。

なんぞと勝手な妄想を膨らましつつ、

無為(むい)な時間を過ごす。

まさに非生産的な時間の浪費の仕方だ。



妄想とともに、夜は更けて行く。

マンションに入っていく、そして出ていく人たちは、

声を掛けるまでもなく、

皆、ワタシが想定しているような50絡みの男ではなかった。



もう、今日は来ないのか?



それではと今日はもう帰ろうと思ったのが、

張り込み開始から裕に3時間は経過した、午後8時過ぎ。

と、その時だ。

一台の型式の古いベンツがマンションに横付けされた。

そして、その全面に黒いスモークが貼られているベンツから、

まずは運転手らしきガタイのいい男が出て来て、

かしずくように後部座席のドアを開ける。



一人の男が車から降りた。



傍目で見ても、年の頃、50絡みの男。

顔つきは暗くて分からないが、背はそんなに高くはない。

その男は運転手を連れず、

一人でエントランスに入っていった。



こいつが占有者Nだ!



そう直感したワタシは作戦通り、

ごくごく自然体でエントランスのガラス扉を開けて、

口笛なんぞ吹きながら男の様子を伺う。



その男は集合ポストを開け、

手紙とポスティングされていたチラシを仕分けしている最中であった。

開かれていたポストこそ、

ウチの会社が所有権を移した、

まさに当該号室のポストであった。



もう間違いない。

こいつだ!!




ワタシは、口笛を吹くのを止め、

その男に話しかけた−。



年貢の納め時は、今、来たようだな。

占有者N!!



続く…。




多分。

 

2003.07.21 月曜日 


占有者との仁義なき闘い。
−六本木心中/熱帯夜の死闘・中々々編




<前回までのあらすじ>


♪ぼ、ぼ、ぼくらは少年探偵団〜。


幾多の苦労を乗り越え、

とうとう占有者Nの姿に扮装した怪人21面相を追い詰めた、

追い出し屋G少年。

だが、不適に笑う怪人21面相。

果たして追い出し屋G少年は、

怪人21面相を捕まえることが出来るのか?

それとも…?


♪ぼ、ぼ、ぼくらはテレビ探偵団!






って、いきなり番組変わってるじゃん!

朝井泉(泉麻人)じゃん!!





そんなこんなはともかく。




間違いない。

こいつが占有者Nだ!!




ワタシは少々緊張しつつ、その男に話しかけた。

男は背はあまり高くない。

スーツはヨレヨレによれていた。



ワタシ
「あなた、Nさんですよね?」



振り返るその男は驚いた顔をしていた。

その表情は皺(しわ)が深く刻まれ、

険(けわ)しい。

手紙を仕分けしていた手は止まっているが、

こちらを見たまま、何も喋らない。

ワタシはもう一度声を掛けた。



ワタシ
「あなた、Nさんでしょ?」



誰なんだ、この男は?

彼の怪訝(けげん)な表情から、

そんな疑問を持っていることがありありと分かった。

そして、警戒の色が濃くなったのであろうか。

鋭い眼光を飛ばしながら言った。



占有者N
「…あんた、誰だ?」



一呼吸おいて、私は答えた。



ワタシ
「決まってるでしょ。

あなたが勝手に不法占拠している物件の大家ですよ」



男は一瞬ひるんだ顔をしていたが、

また威厳を取り戻そうと必至になり…



占有者N
「…はぁん?な、何いってるか、わかんねーな」


ワタシ
「そんなあからさまに惚(とぼ)けないで下さいよ。

だったら、何でそのポスト開けてるんですか?

あなたがNさんだからでしょ?」


占有者N
「…違う、違う。俺は頼まれて手紙を取りにきてるんだ」



どう考えても、あからさまな逃げ言葉だ。

第一、逃げようが逃げまいが、

物件内にこの男の動産があっても、

最終的に強制執行かけたら、

名実ともにウチのものになる。

何で無駄にあがくんだ、この男は!



ワタシ
「あのねえ、あんまりおかしなこと言わないで下さいよ。

じゃあ百歩譲って、あなたがNさんじゃなかったら、

Nさんは一体どこにいるんですか?

Nさんの居場所とか連絡先教えて下さいよ」


占有者N
「…そんなん、しらねーよ」



男は明らかに動揺している。



ワタシ
「本当におかしなことを仰いますねえ。

だったらあなた、その郵便物をどこに持っていくつもりなんです?」



そして動揺の次は、怒りと恫喝(どうかつ)であった。



占有者N
「うるせい!さっきからベラベラベラベラ喋りやがって!」



がなる立てる男。

大きな声を出せば、すべて万事解決するとでも思っているのか。

非常に原始的で粗野な男である。



ワタシ
「そんなガーガー言わなくても、日本語だったら分かりますよ」


占有者N
「オマエがガーガー言ってるんじゃろうが!不愉快だ!!」



何でまあ、怒るとエセ関西弁使う輩(やから)が多いんだろうか。



ワタシ
「何ですか、ワタシを脅してるんですか?」


占有者N
「脅すも何も、オマエが訳分からん事言ってるんじゃろうが!」



その時だ。

エントランスのガラス扉が開き、運転手が入ってきた。

いつもより長い滞在時間に、異変を感じたのであろう。

夜目でもガタイの良さは感じ取れた運転手であったが、

エントランスの明るい中で見ると、

かなりの爺さんであった。

だが、幾らジジイといっても、ボディビルダーのような、

ごつい体をしていることには代わりない。



運転手
「社長!どうされました?」



占有者Nの、興奮しきった表情に異変を感じたのか、

そして自分の雇い主の前に立っている、

見慣れない男に違和感を感じたのか。

運転手はワタシを睨みつけ、言った。



運転手
「オマエ、社長になにしてるんだ!!」



ワタシ

「何してるって−。

Nさんと話し合いしようとしているだけじゃないですか。

Nさんね、今日じゃなくていいから。

また明日にでも日を改めて話し合いましょうよ。

でないと損するのは、アナタなんですよ」


占有者N
「…。わかった、わかった。

今日はここまでだ。

おい、帰るぞ!!」



運転手を促す占有者N。

ってゆーか、まだ次会う日の約束と、

連絡先教えて貰えてないじゃないか。



ワタシ
「アナタ、まだ約束と必ず繋がる連絡先教えて貰ってないよ」


占有者N
…連絡先は、090−××××−××××だ。

こちらから後で連絡する」



ワタシは素早く掌(てのひら)にメモする。



ワタシ
「後でじゃ、ダメでしょ。今です、今」


占有者N
「あー、もう、うるせえなあ。後で電話してこいっ!!」


ワタシ

「アナタねえ、そんな言い方ないでしょ?」



男はワタシの言葉を遮り、そしてエントランスから出て行った。

運転手は男を守るかの様に、

男の背後にぴったりとガードし、

ガラス扉を閉めるまで、終始ワタシを睨みつけていた。


ワタシは彼らがマンションから出ると、その後を追う。

彼らは、古いベンツに乗り込みまさに動かんとしていた。

ワタシは念の為、ベンツのナンバーを控えた。



彼らが立ち去ってから10分後、

ワタシは公衆電話から先ほど、

彼が言っていた携帯番号に電話を掛けた。


トルルルル、トルルルル。

がちゃ。



「ただ今、この電話はお客様の都合により、使われておりません」



無常なる声が機械的に流れてきた。


ワタシの、受話器を持つ手が震えてきた。






あ・の・ヤ・ロー!





続く…。




多分。

 

2003.07.22 火曜日 


占有者との仁義なき闘い。
−六本木心中/熱帯夜の死闘・中々々々編




<前回までのあらすじ>


追い出し屋Gはやっとの思いで、

占有者Nと出会うことが出来たものの、

追い詰めることが出来ず、みすみす逃がしてしまった。

占有を解除させるためには、

再度占有者Nを追い詰めなければならない!!

果たして、追い出し屋Gは占有者Nを叩きのめし、

追い出すことが出来るのであろうか?

それともそのままズルズルと占有を続けられるのであろうか?

すべては神のみぞ知る!!





なんてな。




そんなこんなはさておき。




占有者Nから伝えられた携帯番号は、

料金未払いの為、不通になっていた。

ってゆーか…。






オマエ、

ケータイくらい料金払っておけよっ!




と夜の六本木で遠吠えしたい位の、脱力感を痛感した。

結局、一回掛ければ分かるものなのに、

何度も何度も同じ番号に掛け、

そしてその度に虚しさを感じる感じるワタシであった。



次の日−。

ヤツを逃がした、昨日の詰めの甘さなど、

今更くよくよしていたとしても仕方がない。

生産性のある仕事をしよう。

人間、前向きが一番だ。



そう思ったワタシは、昨日得た情報から、

占有者Nの住所を割り出すことにした。

うーん、生産的。



住所を割り出す方法には、色々ある。

携帯番号から、その所有者の情報を割り出せないことも無いが、

如何せん情報を横流しして貰わなければならないし、

何よりも、それにはカネが掛かる。

もっとローコストで住所を知るべく、

昨日控えたベンツのナンバーから所有者情報を取得することにする。



知ってる人も多いと思うが、

車のナンバーから所有者の情報を引き出すことは簡単だ。

知らない人のためにちょっと紹介すると…。



まず運輸支局(旧陸運支局)又は自動車検査登録事務所に行き、

そこで登録事項等証明書を取得することで、

簡単に所有者の住所等、登録事項を確認することが出来る。

手数料は1000円(二枚目以降は300円)で、

必要なものは運転免許等、身分証明書だけ。

しかし、こんな程度でも業者に頼んだら、

何万円も手数料で取られてしまう。

何事も知らなければ、カネをボラれるってな訳だ。

やるときは自分の力でやるべし。

だが、ワタシはちょっとした伝手(つて)を頼り、

その人に照会して貰うことにする。

もちろんタダで。



その翌日−。

伝手(つて)からそのベンツの所有者情報の結果が分かった。

登記事項にあった住所は、

千代田区××町のマンションであった。



よーし、今から言ってみるべーっ!!!



ワタシは意気込んで千代田区のそのマンションへ向かった。



千代田区のそのマンションは、

日本テレビの近くの、閑静な住宅街にある高級マンションであった。



くっそー。

よくこんなとこに住んでる余裕があるよなあ。

まさしくバブル期の億ション、と言ったところだ。



重々しいエントランスの扉を開き中へ入るや否や、

ワタシは当該号室のインターフォンを鳴らす。


ピンポ〜ン。


しばらく後、インターフォンは答える。


「はい?」


初老の女性の声だ。


ワタシ
「あー、すいません。Nさんのお宅ですか?」


インターフォンの声は答える。


初老の女性
「いえ、違いますけど?」


え、違う?


ワタシ
「え?千代田区××町の○○マンションの△△△号室って、

ここですよね?」


初老の女性
「そうですけど。でも、Nっていう苗字じゃないんですけど」



え?

ワタシは脇にある、集合ポストの表札を見た。

確かにNという苗字ではない。

とすると…。


ワタシ
「大変失礼ですけど、

こちらに引っ越されたのは何時(いつ)ごろですか?」


インターフォンの声は、ワタシに対する、

死刑宣告かのように冷たく答えた。


初老の女性
「5年くらい前に引っ越してきたんですけど。

…それじゃ、今、忙しいので」



−切れてしまった。



…。







Nのヤロー、

車の住所変更してなかったんか!




車にある記載事項は、記載された当時のものであって、

今現在の事項を如実(にょじつ)に表しているものではない。

ここは、占有者Nが以前、住んでいたマンションだったのだ。



再度、この家の婦人に、

以前住んでいたNのことについて訊いてみたが全く分からず。

このマンションには、賃貸で住んでいるとのこと。

ついでに管理員にも訊いたが、

まだこのマンションを担当して半年で、

何を訊いてもわかんねえ、といった体たらくであった。



結局、何も得るものがなく、会社へと戻るハメに陥った。



またもや、占有者Nに翻弄されたワタシ…。



だが−。

ワタシは夏の、照りつける太陽に向かって誓った。






占有者N!!

このままじゃ、済まさねえ!




続く…。




多分。




追記。

あー、中だるみしてきた?

そう言わんと、もう少しだけ付き合ってくんさい。

 

2003.07.23 水曜日 



占有者との仁義なき闘い。
−六本木心中/熱帯夜の死闘・中々々々々編


<前回までのあらすじ>



逢いたいのに貴方に逢えない…。



−占有者Nに逢いたいという、

追い出し屋Gの儚(はかな)く、

切ない想いは叶えられるのであろうか…?

男と男が織り成す、人間模様。

アルマゲドンを超えた、全米興行成績ナンバー1!

今年度最高のハートウォーミング・ストーリー!



近日大公開!!



そして、貴方は涙する…。



−んなワケねーよ。

今更アルマゲドンって何だよ!




そんなこんなはさておき。




車のナンバーから割り出した住所は、

以前の住所であって、今のそれではなかった。

なかなか前に進まない状況にワタシの苛立ちは積もるばかりだった。



しかも、占有者Nからの連絡は、幾ら待っても全く来ない。

来る気配すらない。

このまま、成り行きにまかせても、

状況が良くなる様な見込みはない。

ここで一発、事態の打開を図る為、

ワタシはひとつの決断をおこなった。



もういいや、鍵開けるべ!!



前の所有者であるNが不法占有(何の根拠もなく、

勝手に人様の不動産を占拠している状態)中のワンルームマンション。

ウチの会社に所有権はすでに移っている。

そのマンションの鍵を開錠する、

それがワタシの下した状況打開の策であった…。



あんまりこの辺りのことを書くと、

色々と差し触りがあるかもしれないので、アレなのだが…。

まあ、いいや。

一応、ここからはフィクションです。

以下、ワタシが創作した夏休みの宿題の作文です。

読書感想文みたいなものです。

って、何故いきなり丁寧語??



早速、ワタシはいつも使っている鍵屋を手配して、

六本木のワンルームマンションへ向った。

ワタシが到着した頃には、

もうエントランスの前に鍵屋が立っていた。



ワタシ
「あー、お疲れっス」


鍵屋
「毎度」



その鍵屋は、職人然としたオールバックのおっさんだ。

いつもながら、言葉数の少ない鍵屋である。

もっともワタシみたいにベラベラ喋るような人間が、

鍵屋をやっていても、それはそれで嫌だろうが…。



ワタシは鍵屋をつれて、当該物件の玄関ドアへと移動した。

ドアの前に立つと、ワタシは拍手(かしわで)を打つかのように、

パン!っと両手を叩き、言った。



ワタシ
「んじゃあ、ちゃっちゃと鍵開けちゃって下さい」


鍵屋
「了解」



鍵屋は慣れた手つきで鍵の開錠を始める。

いつものことながら手際のいい作業だ。



ありがとう、鍵屋さん。

貴方のおかげで扉が開くんだね。

鍵屋・マイ・ラブ!!

…などと気持ちの悪い妄想を繰り広げる間もなく、

本当に一瞬で鍵が開いた。



その光景はまさに、

ひとりツムラ・イリュージョン(古い)と言ったところだ。



鍵屋
「完了」



鍵の魔術師の魔法によって、開かれた扉。

いざ参らん!!

ワタシは玄関扉を、勢いよく開け、臨場した。

その時の気持ちたるや、

人類史上初めて宇宙へと旅立った、ガガーリンの様だった。



ソ連の宇宙飛行士・ガガーリン。




−地球は青かった。



そして、無限の宇宙−。



ふと脳内でBGMが流れる。



♪さらばぁ〜 ちきゅうよぉ〜



…ああ、そうだ。

ワタシには地球を救うべく、

行かなければならない場所があるんだ!



…などと、どこかしらの世界へと旅立つワタシ。



目指す先は、そう。



銀河の彼方、イスカンダルだ!!



♪さらばぁ〜 ちきゅうよぉ〜

♪さらばぁ…

♪さら…。

…。



鍵屋
「…あのう、なんか目が虚ろなんですけど」



鍵屋に声を掛けられ、ふと我に戻るワタシ。

ああ、また妄想の国へと旅立っていた様だ。

ワタシは頭を振り、気を取り直して室内へ入った。



室内には、事務机、事務椅子、事務戸棚…等々。

そこは、まさしく事務所であるとしか言いようがない、

空間があった。



ちくしょー!

動産ばっかありやがる!!

何だよ、何にもなかったら、

そのままこっちが占有してやるところだったのに…。

これじゃあ、最終的には正攻法でいかんとマズイんか?

でも、それは嫌だな。

引渡命令なくして、この物件を手中に収める!!

それこそが今、

俺に課せられた(というか自分で背負い込んだ)使命だ!



早速ワタシは情報を求めるべく、家捜しをする。

一番の情報は、占有者Nの今現在の住所だ。

机を調べ、戸棚を調べ、引き出しを開け、ゴミ箱を漁る。

だが、あるものと言えば、請求書、請求書、請求書…。

請求書の山、山、山。

債務者にアリガチといえば、アリガチなパターンであるが、

これだけ多くの請求書を送り付けられれば、

そりゃあ払う気力もなくなるわな、

と変な共感を持った。



しかし、肝心の住所であるが、

請求書の全部が全部、あて先はここの住所。

これじゃ、全然役に立たない。

他に情報は無いかと色々と探したが、

役に立つようなものは何も見つからなかった。



あー、もう。

次から次へとムカつくことばっかりだなあ。

占有者Nとやっとのことで逢えたと思ったら、

スルっと逃げられちゃうし。

住所調べようと思ったら、分かった住所は旧住所だし。

今ここでガサ入れしても、なーんも分からないし。

あー、もう!!



とりあえずワタシは怒りに任せ、



「ダンマリ決め込むんだったら、

近いうちに鍵変えてやるぞ、ゴラー!!」




という内容の置手紙を書こうとしたが、

会社から白紙を持ってくるのを忘れてしまった。



ちっ。

仕方が無い。

そこら辺にある紙を拝借するか。

一枚くらいだったら、バレないだろう…。



そばの事務机にメモ用紙の束があったので、

その紙を一枚貰おうと、

ワタシはそれを手元に引き寄せた。



…と、その時だ。

今までその下敷きになっていたので分からなかったが、

机の上に敷いてあった塩ビ製クリアマットに、

小さく折り畳まれた紙片が挟まれていたのを見つけた。

普通だったら見過ごしてしまう程度の、ただの紙切れ。

だが、ワタシはそれが非常に気になって仕方なかった。



ワタシはマットから取り出し、それを読んでみる。



−今、振り返ってみても。

ワタシはその時ほど、神の存在を信じたことは無い。

そのメモには、こう書かれていたのだ。



N(占有者の苗字)○○子(奥さんの名前)・

△△男(息子の名前)

世田谷区○○ 1−××−××





それはもう唐突に、







ヤツの住所、発見!






占有者Nは、

あの男は、世田谷にいる!





そして、ワタシは思った。




何か−。








展開が

ポートピア連続殺人事件


みたいだな!



胡散臭いぞ!







続く…。




多分。




追記。

すべて自己責任が基本。

でも人生の中では、割と都合のいいこともあったりするもの。

逆に都合の悪いこともいっぱいあるけど。

 

2003.07.24 木曜日 


占有者との仁義なき闘い。
−インターミッション<間奏曲、或いは休息>



日頃の地味な宣伝活動が実を結んできたのか、

徐々に(実質的)アクセス数が増えている今日この頃。

掲示板やらメールでも、応援のメッセージを頂戴し、



ああ、人間何かをやっていれば、

それを見ている人も、声を掛けてくる人もいるんだな。

人間はたった一人で生きているんじゃないんだ!

みんな、宇宙船地球号の仲間なんだ!


♪みんな、みんな、生きているだ 友達な〜ん〜だぁ〜!



…などと、まるでさみしん坊の様な感慨に耽ってみたり。



中にはこちらが頼むでもなく、自発的に、


「なかなか面白いサイトじゃん」


と紹介して下さる稀有(けう)な人もいらっしゃったり。

このサイトが面白いか、面白くないか、

それはひとえに、ワタシのネタと文章に、

フィーリングが合うか合わないかだと思う。

だけれども世の中には、面白いと思って下さる

まっこと奇特な人も結構いるということで。

そーゆー方々には、ホント、ありがたや、ありがたや〜。

こいつは足を向けて寝られねーべ、ってな感じ。

それと同時に、ちゃんとした社会生活を送ってるのかいな、

と他人事ながら不安に思ったり、思わなかったり。



何はともあれ。

これからも生ヌル〜い目で見守っててちょうだいな。

よろしくお願いしますです、はい。



そんなこんなはともかく−。



六本木ワンルーム占有者N編もそろそろ佳境−。

…とはいえ。

途中から読んで、話の流れがよくわからん!

とか、内容が意味不明だ!

なんぞという感想を持っている人もいると思うんで、

今日はそのクライマックスを語る前に、

今までの話の簡単な流れとか、登場人物の紹介をしようと思う。

基本的なところで、



競売(けいばい)って何?



と言われる御仁は、ここいらを読んでちょうだいな。



それでは、六本木純情編の登場人物を紹介。




って、タイトル変わってるじゃんっ!!



【登場人物紹介】


  追い出し屋G(ワタシ):競売業界の必殺仕事人。
  ウソ。ただの雇われ人。六本木のワンルームの
  占有を解除するべく、占有者Nを追っている。
  あんまし性能と燃費は良くない。妄想好き。
  あ、よく考えてみれば主人公ってヤツ?


  占有者N:六本木のワンルームの元所有者。
  50絡みのおっさん。背は低い。口は悪い。
  経営コンサルティング会社経営。でも失敗。
  今現在、動産を置いてワンルームを占有中。
  無駄に追い出し屋Gから逃げ回っている。
  古い型式のベンツが愛車。一応、運転手付。


  N夫人:占有者Nの奥さん。疲れた顔をしている。
  超音波を発する、ヒステリー攻撃が得意。


  △△男:占有者Nの長男。大学生。盗聴マニア(予想)。


  運転手:占有者Nの運転手。かなりの高齢だけど
  無駄にマッチョ。草野仁並。熊殺しの異名を取る(予想)。


  鍵屋:いつもニヒルなあんちくしょう。言葉数が少ない。
  六本木のワンルームのドアを開けた、鍵の魔術師。
  オールバック上等!そこんとこ、夜露死苦!


  インターフォンの婦人:占有者Nの前住所に住んで
  いる婦人。というかおばあちゃん。いいとこ住んでる。


  ガガーリン:ソ連の宇宙飛行士。初めて宇宙へ行く。
  「地球は青かった」との名言を残す。



…って、




まだ登場してないヤツがいるじゃん!



まあ、未登場の人たちはもうすぐ登場。

いわゆるひとつの、カミング・スーン!

ってヤツっすよ、旦那。げへへ。



続いて、今までの話のあらすじをズズっと紹介。



【話のあらすじ】


六本木の、あるワンルームマンションの一室が競売に掛かり、

ウチの会社が一番高い値段で落札した。

この物語は、ここから始まる。


ウチの会社が落札してすぐに、ここを使っている人間が、

その部屋から荷物を全部引き払って鍵を渡してくれれば、

ここでこんな風にネタになることなく、

話は終わっていたのだったが…。

現実はそう簡単にいくものではない。


そのワンルームマンションの一室は、

元の所有者である、占有者Nが動産(家具とかそーゆーもの)

を残したまま、占有している状態だったのだ。

占有とは、言葉を変えれば占拠という意味であり、

占有者とは、その不動産を占拠している人という意味だ。


ちなみに。

占有を解除させる為には、任意の話し合いで解決するか、

もしくは引渡命令又は明渡訴訟といった裁判手続きを経た上で、

強制執行
を行うしか解決方法はない。


※この場合、その不動産から占有者を強制的に排除する執行のことで、
執行官と呼ばれる委託者が、その指揮を執る。
簡単に言えば、国家権力様が占有者を「オマエ出ていかんかい!」と、
合法的に追い出すといったところだ。


だが、このワンルームを落札した会社の、

雇われ人である追い出し屋Gは、法的救済である、

引渡命令&強制執行のコンボを即時利用することを拒否。

己(おのれ)のプライドと、じっちゃんの名にかけて、

あくまでも任意での引渡しに固執した。


−任意での物件の引渡しを求める為、

追い出し屋Gはまず、占有者Nにコンタクトを取ろうとした。

しかし、占有者Nはワタシのコンタクトを拒絶し、

逃げるばかりであった。


逃げる占有者Nと、それを追跡する追い出し屋G。


時にオマエはガルエージェンシーか!!

とツッコミを入れんばかりに張り込みを行ってみたり−。


時に車のナンバーから住所を割り出してみたり−。


時に部屋の鍵を勝手に開けて、家捜しをしていた、

という夢をみたり…(あくまでもフィクション)。


何だかんだのドタバタ劇を繰り返し、

やっとのことで見つかった、占有者Nの住所を示す手がかり。



占有者Nはそこにいる!



果たして、追い出し屋Gは、

占有者Nを追い詰めることは出来たのであろうか?

はたまたそのまま逃げられてしまったのか?


物語は、いよいよ感動のクライマックスへ!!



−なんてな。



本日は、次回予告で終わり。

また本編でお会いしましょう!



<次回予告!>


さ〜て、来週のサザエさんは!

追い出し屋Gです。

またカツオにいちゃんが花沢さんに誘われている様です。

いつかは、やる気のない町の不動産屋を経営したい、

これがワタシの夢ですが、

かつおにいちゃんはすぐ夢が叶いそうでいいなあ。


さて次回は、


追い出し屋G、世田谷のサザエさん通りへ向かう

追い出し屋G、N夫人とはじめてのご対面

波平、ラマーズ法で昇天


の三本です。


じゃん けん ぽんっ!

ぐふふ。




追記。

あー、最後のサザエさんネタ、すまん。

もう謝っておきます。すいません。もうやりません。

 

2003.07.25 金曜日 


占有者との仁義なき闘い。
−六本木心中/熱帯夜の死闘・後編



<前回までのあらすじ>


依然としてつかめぬ、占有者Nの行方であったが、

決死の覚悟で敵の秘密基地へ乗り込んだ追い出し屋G。

そこで真の敵を知ることとなる…。





−本当の敵は…、父さん?




オヤジまで登場するのかよっ!!

って、ワケわかんねーよ!

意味不明なあらすじは置いておいて。




そんなこんなはさておき。




占有者Nが占有するワンルームマンションへ

決死の侵入を試みたワタシであるが、

そこで神の啓示を受けたが如く見つけたものは、

住所が書かれた紙切れであった。



N(占有者の苗字)○○子(奥さんの名前)・

△△男(息子の名前)

世田谷区○○ 1−××−××





占有者Nはそこにいる!





その週の日曜日、午前八時半−。



ワタシは世田谷区のとある街に来ていた。

その街はサザエさんの街として名高く、

商店街の至る所が、

サザエさんの顔やらロゴで装飾されており、

あたかもフセインが君臨していた頃のイラク、

もしくは北にある、面白パーマのままごと国家のようだ。



磯野将軍マンセー!

サザエ同志マンセー!!




街並みはサザエさんという庶民感覚には似つかわしくない、

高級な雰囲気があふれている住宅街である。



あー、サザエさんはこんなところに住んでるのかー。

いい所住んでやがるな、このヤロー!!




などと思いながら、街を歩くこと10分程度。

ワタシは占有者Nが住んでいるであろう住所に辿り着いた。

占有者Nの自宅は、白いモルタルで、

二階建のその佇まいは、こじんまりとしながらも、

清潔感に溢れている、そんな家であった。

駐車スペースには、ベンツではなく、国産車が停まっていた。



でも−。



と、家を目の前にして、若干(じゃっかん)弱気になるワタシ。

また前住んでいた住所とか、違った住所かも…。

だが、ここで弱気になっていたら男が廃(すた)る。

何事も前進あるのみ!

ええーい、とばかりに自分なりにテンションを上げ、

表札を確認すると−。





「N」





と出ていた。




間違いない!

ヤツの家はここだっ!!





ここは、今現在の占有者Nの自宅だ。

ワタシはNを追い詰めるまで、

あと一歩のところまで来ているんだ…!!

自分の中で、テンションが徐々に高まってくるのが分かる。

口の中には分泌されたアドレナリンの味が広がる。

それは、甘く、そしてほろ苦い味だった。



え、甘く、ほろ苦い味…?

それって、初恋の味と似ているな…?



インターフォンを鳴らす前の緊張感からか、

現実逃避をするかの如く、

ワタシは今やるべきこととは180度関係のない、

初恋について思いを馳せる。

それはそう、例えるなら天駆ける天馬のように、真っ白で…、

そしてシャボンのように淡く、儚(はかな)い、初恋。



は・つ・こ・い。



その瞬間、ワタシの脳内ラジオ(旧式)がBGMを流す。



♪ほぉらー チェルシイー もひとつぅ チェルシイー

アナタニモ チェルシイ アゲタイ(外人少年風)



#繰り返し【永遠に】



ワタシの頭の中では、

上のフレーズが針の飛んだレコードの様に、

何度も何度も繰り返され、頭の中がそれ一色になった。



あー、俺の初恋のイメージは、「チェルシー」なんだあ。



と自分の妄想の世界ながら、新発見。

ふしぎ発見。ひとしくん人形。

でも、余りの緊張感のない妄想に、

自分のテンションがバブル崩壊後の株価のように、急降下。